
こちらの記事では、賃貸のお部屋退去の際に請求されるお風呂のウロコ汚れについて、貸主との交渉方法と入居中にできる対策を宅地建物取引士の私が50,000件以上の取引を扱った経験をもとにお伝えします。
賃貸の原状回復でお風呂のウロコ汚れは通常使用?
賃貸の原状回復でウロコ汚れは借主負担
お風呂のウロコ汚れって通常使用でしょ? 掃除したって発生するし・・・
退去立会の際、もう何千人という入居者から言われてきました。


「借主負担です。」
正直な話、筆者もお風呂掃除が得意ではないので(笑)
入居者さんの気持ちはすごーーくよく分かります。
特に鏡にウロコがついて、もはや「姿を映し見る道具」ではなく「白くモザイクのかかった何か」へ変貌してしまっているお部屋も多いのではないでしょうか。
使い方(掃除の仕方)でウロコ汚れが発生したり、しなかったり…実際10年以上入居していた方の退去立ち合いで、お風呂のウロコ汚れや水垢がほとんど見受けられないケースも多くありました。
発生する原因
ウロコの正体は、水道水に含まれているミネラル成分はそのまま残ってしまい(水垢)、この水垢がついたままの状態で時間が経過すると、汚れが石灰化し、ウロコ汚れになります。
水道水の成分以外では、石鹼カスが原因だと考えられます。水道水に含まれるミネラルと石鹸が反応して、白い粉末状になった汚れです。石鹸カスの原因になる物質は、シャンプーやボディーソープ、洗顔料などです。
上記の原因から考えると(水道水に含まれるミネラル成分)、お風呂あがりに浴室全体をシャワーで水をかけて石鹸類を流しただけではウロコ汚れ予防にはならないことが分かりますね。


鏡の研磨費用など、請求される金額はどのくらい?
お風呂の鏡のウロコ汚れについて、通常のクリーニングではほとんど除去できずに「研磨費用」として請求されるケースが多いでしょう。
鏡の研磨費用は大体3,500円~5,500円くらいが妥当でしょう。
しかし、汚れが酷い場合は研磨でも除去できず、鏡に傷がついてしまうため「鏡の交換費用」として請求されるケースもあります。
この場合は、鏡の代金となるので設置している鏡のグレードによって異なります。
免除してもらうための交渉術
毎日、お風呂掃除してたのに・・・
キレイに使っていたつもりなのに、鏡の研磨費用とか請求されるのは癪…という方に朗報。
契約毎に貸主が違うので100%ではありませんが、筆者が見てきた中で、使い方大きな問題はなく(全く掃除をしていなかった人は除く)6割くらいは免除もしくは減額に至ったケースをお話します。
こうして、ウロコ汚れの掃除代は貸主負担となりました
まず、契約期間はどのくらいでしょうか?4年?6年?はたまた15年? 入居期間が長かったアナタは入居期間を主張してみましょう!だって、原因は石鹸カスだけではなく水道水に含まれる成分にも原因はあるわけだから・・・
定期的なお掃除をされていたアナタなら、きっとカビなどもないお風呂でしょう。であれば掃除をしていた証明にもなるので合わせて伝えてみてもいいでしょう。
交渉は愛の大きいほうが勝つ。
交渉の際、どんなにあなたの機嫌が悪くても、請求内容に大いに不満があっても、相手があることなので感情的にならずに申し入れしましょう。(ざっくばらんに、感じの良い伝え方をしましょう。印象は回答に大きく左右します)
できる限りのウロコ汚れの対策方法
おさらいですが、ウロコ汚れには大きく2種類ありました。水道水に含まれる成分と石鹸カス。筆者もお風呂掃除は毎日していますが(鏡は毎日磨いていない)気が付いたら、鏡はウロコ汚れです。年末の大掃除でクエン酸とか重曹とか3,000円くらいの洗剤使ってみたりもしたけど、時すでに遅し・・・
スクイージーってご存じですか?水を切るワイパーです。
お風呂上りに、鏡だけでもこのワイパーで水を切るだけでウロコ汚れ0です。
きれい好きさんは、浴室全体をこのワイパーで水を切るらしいのですが、ウロコ汚れ対策としては鏡と水栓付近の水分除去することが重要です。
毎日お風呂あがりに1分で出来ちゃう、退去時の無駄な出費を抑えて鏡もずーとピカピカ、ぜひ始めてみましょう。
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